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2010年7月16日 (金)

衆議院選挙 選挙区の得票率とベキ法則

 衆議院選挙(総選挙)の選挙区での得票率を分析すると、大政党と泡沫政党の差が大きく、綺麗なべき乗(または正規分布)にならない。しかし政党別の得票率の”偏差”は”得票率”と比例しており、対数正規分布の特徴(偏差が数値に比例して変化)に似た形になっている。
 
 
 図1と図2は2009年の総選挙の選挙区での得票率とその順位である。60%~30%と、10%以下の2つのグループに分かれており、綺麗なべき乗(または正規分布)にはなっていない。分析をはじめるまえはそれなりの綺麗なグラフになることを規定していただけにかなり驚く内容である。図2は2005年の総選挙でのデータだが、図1同様に中央が膨らんだグラフとなっている。

 このような”独特”なグラフになる理由は、小選挙区での選挙が定着し、自民と民主の2大政党に票が集まりやすい傾向が強まったためであると考えられる。2010年の参議院議員通常選挙における比例区の票は、多少のでこぼこはあっても綺麗なべき乗になっているから(参考)、これは小選挙区ゆえの特徴であるといえるだろう。

 このデータをそれぞれの政党ごとに分布を集計したのが図3と図4である。郵政旋風が吹き荒れた2005年と政権交代の風が吹いた2009年では自民と民主がその位置を入れ替えているのが良くわかるほか、2005年は共産が、2009年は共産にくわえて幸福実現が低い得票率の部分に固まっているのが見て取れる。それぞれの平均得票率と偏差が図5と図6だが、ほぼ全ての選挙区に候補者を立てた共産・民主・自民は、2005年は民主と郵政反対で無所属で立候補した元自民も含め、2009年は超泡沫である幸福実現等も含めて平均得票率と偏差がほぼ比例しており、ベキ法則=対数正規分布に近いという説における「対数正規分布は数値と偏差が比例する」という特徴に似た形となっている。

 逆に一部の選挙区にしか候補者を立てていない社民・国民はその他カテゴライズした泡沫候補と同様の平均よりも偏差が高い=候補者の実力差がばらばらであるという傾向、逆に公明党は偏差が低い=ばらつきが少なく、平均に近い得票率という傾向がある。これは公明の組織率の高さ、逆に社民や国民の個人人気に頼った選挙戦を伺わせる。尚、2009年のみんなの党は平均得票率21%で偏差は0.246 となってグラフからはみ出している。これは党首の渡辺の95%という驚異的な得票率(対立候補が幸福のみ)ということもあるが、やはり政党として平均しておらず、個人人気に頼った選挙戦であったという理由である。

 
2009sousenkyo
図1 2009年総選挙の選挙区の得票率と順位
 
 
2005sousenkyo
図2 2005年総選挙の選挙区の得票率と順位
 
 
2009
図3 2009年総選挙の選挙区の得票率の政党毎の集計
 
 
 2005
図4 2005年総選挙の選挙区の得票率の政党毎の集計
 
  
2009gr
図5 2009年総選挙の政党別得票率平均と偏差


2005gr
図6 2005年総選挙の政党別得票率平均と偏差
 
 
 

 
 

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