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2010年7月15日 (木)

ネットの普及と所得

 2002年の段階ではホワイトカラーはパソコンで、ブルーカラーは携帯電話を使ってインターネットを利用していた。現在ではiPhoneなどのスマートフォンがパソコンのそれに変わっているだろう。
 
 
 すこし前だが、インターネットの普及を促進させるためにどのような施策が必要かを検討するにあたり、県別のブロードバンドの普及率を調査した。図1は総務省発表のデータを引用した2002年度県別のブロードバンド゙の普及率(回線数/世帯数)だが、東京神奈川など関東の普及率が高く、続いて愛知・三重・静岡の東海、普及がすすんでいないのが鹿児島など九州が低いというデータが読み取れる。いくつかの仮説をたて、なぜ地域差がこれほどにまで広がっているかを検証したが、もっとも相関係数が高かったのが平均所得との関係である。

 図2は厚労省発表の県別の平均所得の数値と図1のデータの数値を散布図にしたものだが、回帰式0.14x-0.21相関指数0.63が得られた。ブロードバンドの用途はパソコンを介したインターネット利用であることから、パソコンは当時はそれなりの価格(1台30万円程度)であったために可処分所得が多くないと持てない事、パソコンを仕事でも利用している層はホワイトカラー層や都市部の管理部門の人間などでそれら層は必然的に所得が多いこと、インターネットという新しいメディアを理解するためにはある程度の知識が必要であり、知識を理解できる程度の能力があれば必然的に所得が高いこと(IQと所得にも相関がある)などがこの関係性を作ったと考えられる。

 比較のために携帯電話の普及率を同じ散布図にプロットしたのが図3である。ブロードバンドの普及と比較すると所得の低い件でも普及が進んでいることが読み取れる。携帯電話は初期コストがほとんど要らずに購入できたこと、パソコンとは違い通話目的で購入されること、操作が簡単で特に専門的な知識が必要でないことなどが低所得層にも普及した原因としてあげることが出来る。当時は携帯電話は「馬鹿が使うパソコン」などともいわれていた。

 この傾向を理解すると、パソコンサイトと携帯サイトでの利用動体の違いが理解できる。通販や広告売上の単価の違い、コミュニティでの議論の方向性の違いなどはこの所得差=社会階層の違いとも理解できる。携帯向けのネットサービスではストラップ1本売るのに苦労するという話しは当時の関係者からよく聞いた話だ。パソコンのコンテンツ売上の大部分が(-社外秘情報につき自粛-)であるのに対して、電子書籍の猥褻なものが携帯では良く売れるという現象もパソコン利用層と携帯利用層の違いをあらわしている。


 詳細のデータを手にしていないので分析できていないが、FTTHの普及率やiPhoneなどのスマートフォンが”パソコン”に置き換わっているのではないかと予測される。iPhoneアプリが有料でも良く売れたというのは可処分所得がある程度ある層がおおかったからではないかと思われる。またネットサービスではtwitterやfacebookなども同じ様な傾向を示すだろうと予測される。

 インターネットの普及が一巡し、これからは普及そのものではなくてパイの取り合いとなる。その際にどの層にアプローチできるかが今後の勝負の行方を左右するだろう。
  
 
BB1
【図1】 2002年度の県別ブロードバンド普及率


BB
【図2】 2002年の県別のブロードバンド普及率と県別の平均所得の相関図


Mobile
【図3】 2002年の県別の携帯電話普及率と県別の平均所得の相関図
  
 
 

 
  

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