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2010年7月 7日 (水)

ベキ法則から見るAKB48選抜総選挙の得票数の不思議

 ベキ法則は社会学などで長く経験則として使われてきた法則で、ある統計データにおいて順位と数値をそれぞれ対数で散布図に表示すると直線状になる、というものである。例えば市町村の人口とその順位、ブログの閲覧数とその順位、個人別の収入とその順位などがベキ法則にあてはまることなどが広く知られている。今回はベキ法則を利用してAKB48の総選挙について分析してみたい。

 説明するまでもないがAKB48は秋元康氏プロデュースによる秋葉原を本拠地として「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動しているアイドルグループである。2005年に誕生し、2007年にはNHK紅白歌合戦にも出場している。

 AKB48ではいままでのアイドルグループには無かった色々な新しい試みがされているが、2009年からAKB48選抜総選挙と称された人気投票が行われている。AKB48選抜総選挙はCDの購入者やファンクラブ等の会員に投票資格が与えられ、得票数によってその後の活動への関与が決まるというものだ。2009年は前田敦子さん、2010年は大島優子さんが1位となり、テレビなどでも話題となった。

 2009年と2010年をベキ法則で分析するといくつかの面白い特徴が見えてくる。

 まずは2009年に関して、グラフ化すると図1のようになる。1位から30位までほぼ直線状になっており、ベキ法則が当てはまっていることが見て取れる。5位と6位が非常に接戦で、また逆に11位12位、15位と16位のところにやや差がみてとれるなど、人気の分布が一様ではなく、いくつかの競争と差があることがあるが、ほぼベキ法則どおりの得票数であるといってよい。

 2009年AKB48選抜総選挙結果グラフ
(図1 2009年の順位と得票数)
 

 
 次に2010年に関してグラフ化すると図2のようになる。1位と2位が接戦(597票差)であるのがわかるほか、2位から22位までがほぼ直線になっており、ベキ法則に当てはまっている。逆に23位以下からはグラフが下に折れ曲がっており、23位以下の得票数の割合の低さが目立つ形となっている。

 さらに中間発表の数字も分析してみると、2010年の傾向をより詳しく見ることが出来る。6月2日時点の中間発表をグラフ化したものが図3である。図3からは2位の大島さんの票がベキ法則からみてやや得票数が上に、11位までの値と12位~18位、18位~19位、において大きな差が生まれているのが見て取れる。この傾向を図2の最終得票、および図1の昨年の傾向とあわせて考えると、


2010年AKB48選抜総選挙結果グラフ
(図2 2010年の順位と得票数)
 

2010年AKB48選抜総選挙中間発表結果グラフ
(図3 2010年の中間発表時の順位と得票数)
 

1)1位と2位の激しい競争

 2009年は1位と2位の差がベキ法則どおりだったが2010年はベキ法則から大きく外れている。これから2010年は前田さんと大島さんの間で激しいトップ争いが演じられていたことがわかる。それは中間発表前からくりひろげられていたようだ。

2)トップグループ、中間グループ、下位グループで明確な差

 グラフの分析をした後に知ったのだが、AKB48は上位12名で構成されるメディア選抜、21位までの選抜メンバー、22位~30位のアンダーガールズというカテゴライズがあり、それぞれの活躍の場に差がある。それを示すように、図3の中間発表ではメディア選抜に相当する上位11名と、選抜メンバーに相当する12位~19位とそれ以下においてグラフに段差が見らる。カテゴライズ毎の活動およびメディアでの露出の差が中間発表時の得票数の差という形で現れたといえるだろう。

3)メディア選抜(12位以内)、選抜メンバー(21位以内)入りをかけた激しい争い

 図2の最終発表の結果は図3の中間発表のような大きな断絶がなくなり、いくつかの細かい差が出ている。上位22名とそれ以下ので出た傾きの差から、選抜メンバーに入るための21位争いが上位22名で激しく繰り広げられていたことがわかる。さらに細かく見ると9位から13位(図の赤い点線部分)の数字がベキ法則からはずれてそれぞれの数値が非常に接近している。ここでもメディア選抜12名入りをかけて激しい競争が繰り広げられたことが見て取れる。同様に19位から22位までの部分((図の緑の点線部分))でもそれぞれの数値が接近しており、選抜メンバー入りの最後の生き残りをかけた激しい競争があったことがわかる。
 
 
 
 AKB48選抜総選挙はアイドルグループの新しい試みとして非常に注目された。得票数をベキ法則で分析すると「ガチです」と称したとおり、ガチな競争が繰り広げられていたであろうと推測される。また、メディア露出による人気の差や、今後の露出をかけた激しい競争の後も見て取れた。AKB48選抜総選挙は今回の盛り上がりをうけて次回も開催されるであろうから、次回に関してもベキ法則を利用して分析をしてみたい。


参考:http://sites.google.com/site/watasinopage/
 
 
 

 
 

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